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最近のエントリ

08:12
5/31

読み切り バラバラ

雨降りしきる街。私は傘を差すこともなく、アパートメントの自室に帰ってきた。 玄関のドアを開けてキャリーバッグを部屋の奥に押し込む。 ドアの鍵を掛け、カーテンを閉じて、明かりもつけぬ、薄暗い部屋。 家具類は必要最小限しかない広々とした部屋。 部屋の中心に置かれた、一見何の変哲もなさそうなキャリーバッグ。 大きさは子供がすっぽり入れるくらい。 このバッグに何が入っているかといえば――ふふふ。

01:18
5/27

読み切り テレポーテーション

ある朝、私は洗面所で足を滑らせ転倒した。 強かに頭を打ちつけた私の脳裏に天啓が閃いた。 ひとつの公式。混沌とした要素が複雑に組み合わさり、 見事なまでに調和の取れた美しい文字列となっていた。 これだ。私は興奮のあまり舞い踊った。 この公式は科学界に、いや、人類に革新をもたらすことになるだろう。

11:54
5/25

読み切り 眠れない夜

時計が夜の十二時を指し示した。 私は部屋の明かりを消してベッドに横たわる。 明日も仕事がある。八時には起きなきゃいけない。 おやすみ。いつもと変わらない夜。

12:18
5/22

読み切り 人工肉

「どうぞ、召し上がってみてください。  大丈夫。安全は十分に確認されております。健康への悪影響はありません。  美味しいですか。そうでしょう。本物の肉と遜色ないはず。  いえ。それ以上の味と栄養価を持っているんです。  しかも加熱加工するか食べるかしない限り腐敗することもなく、  植物のように土や水や光などで増殖するので、培養の手間もかかりません。  この人工肉が普及すれば、人類は食料問題から解放...

10:30
5/19

読み切り 透明人間

ある朝、俺は違和感を覚えて目を覚ました。 部屋の中を見回してみるが、別段、変わった様子はない。 気のせいか。朝食を食べよう。 いつものように朝食を作ろうと冷蔵庫の扉に手をかけたとき、 俺は違和感の正体に気がついた。

18:39
5/17

読み切り 馬鹿になるぞ

学校から帰って自分の部屋へ。 パソコンの電源を入れてインターネットに接続する。 いつも見ている巨大掲示板サイト。 色々な情報を得たり、くだらない雑談で盛り上がったり、 時には討論したりして楽しむ。 夕食や入浴のとき以外は、ほとんどネットに繋ぎっぱなしだ。

20:18
5/16

5/16

18:15
5/13

読み切り 問題社会

私は鏡の前で身支度を整える。 禿かかった白髪混じりの頭。深く皺の刻まれた顔。 鏡に映る自分の顔には疲労感が滲み出ている。 それでも、生きていくためには働き口を見つけなければならない。 今日もネクタイを締めて、就職の面接に向かう。

21:48
5/11

読み切り 機械の家

『やあ。ようこそ我が家へ。入りたまえ』 インターフォン越しに博士の声。入室を促され、自動ドアがスライドする。 僕は中に足を踏み入れて驚嘆する。最新鋭の機械設備が並ぶ室内。 流石は僕の恩師だ。科学者として名を馳せただけのことはある。

11:12
5/9

読み切り 暗闇にて

結婚と同時にマイホームを購入した。 郊外に佇む古くて広い屋敷。格安の物件だった。 はじめは廃屋と見間違うほどだったが、改装したら随分と綺麗になった。 僕の収入には似つかわしくないほどの豪邸だ。 愛する妻と、いずれ増えるであろう新しい家族のための城。

11:06
5/8

読み切り 幽霊講義

君は幽霊の存在を信じるかね。信じないかね。 古今東西、幽霊の目撃報告は無数に存在するが、 その多くは作り話や単なる見間違いで説明できるものだ。 心霊写真などの証拠が残されている場合もあるが、 ほとんどは自然現象やトリックだと断定できるものだ。

20:15
5/5

読み切り 面接

緊張する。もうすぐ自分の番だ。 長い廊下に志願者の行列ができている。 いよいよ自分の名前を呼ばれ、思わず「ひゃいっ」と答えた。 誰かの忍び笑いを後にして面接室に入る。

19:57
5/3

読み切り 太りゆく男

ある朝、服を着替えようとしたとき、 ふと少し下っ腹が膨らんでいることに気がついた。 そういえば昨夜は少々食べ過ぎた気がする。そのせいかもしれない。 俺はベルトをきつくしめて腹を押さえ込んだ。

14:09
5/2

読み切り 異常な愛情

人里離れた山奥に発射基地があった。 円筒状の地下サイロの中に聳え立つ威容。 核弾頭を搭載した大陸間弾道ミサイルが、来るべき時を待って眠っている。 私は発射基地の発射指令官であった。

09:30
5/1

読み切り 着信ナシ

「やっほ〜久しぶり〜。って昨日話したばっかだっけ。アハハ。  何か変わったことあった? わたしはね。  今日さ、一人で映画見に行ったんだけど。ホラー映画。  ほら、不気味な電話かかってくるやつ。めっちゃ怖かったよ〜」

16:10
4/30

読み切り 全ての願い

休日。一人暮らしのアパートの自室で暇を持て余していると、 玄関のチャイムが鳴った。来客の予定はないが、誰が来たのだろう。 ドアを開けると、そこには一人の男が立っていた。 「はじめまして。わたくしは悪魔でございます」

19:27
4/29

読み切り グリーンミール

「被告人は以前より日常的に不法侵入と窃盗を繰り返しており、  この事件においては盗むだけでは飽き足らず、  居合わせた住人を強姦し、幼い子供共々その命を奪った。  その犯行は凶悪で卑劣で残虐極まりなく規範意識の欠如は明らか。  更生の可能性は無に等しく、被告人の生命を以て罪を償わせる他ない」

19:04
4/28

読み切り 惑星の猿

冷凍睡眠装置の自動解凍機能によって、私は目を覚ました。 ここは自動航行する恒星間宇宙船の船内。私は宇宙探検隊の隊員。 しかし、窓の外に広がる光景は宇宙空間ではなかった。 宇宙船は波打つ青い海の真ん中に浮かんでいた。 どうやら、何処かの惑星に不時着してしまったらしい。

11:43
4/24

読み切り 退屈な時代

私は目を覚ました。だるい。ベッドの中で無駄な時間を過ごす。 そうこうするうちに腹が減ってきたので仕方なく起きる。 全自動調理器が作った料理を食べる。食べ終わる。 さて、今日は何をして過ごそうか。

15:27
4/20

読み切り 地球の静止する日

「太陽の軌道がおかしい」 最初に異常に気がついたのは天文台の観測員だった。 ほんの僅かなずれ。ほんの僅かだが、太陽の空を回る速度が遅い。 そんなはずはない。観測機器の故障ではないか。何かの誤差ではないか。 だが、他の天文台とデータを照合して、異常は事実であると判明した。

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