| 08/10 | 2008年 F1 富士 |
| 08/9 | 自民党総裁選2008 |
| 08/8 | 北京オリンピック2008 |
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きつねこぶたの創作小説プログです。ただいま<私立クリスティ 学園シリーズ>を連載しています。 |
| 対象 | 総合 | カテゴリ別 | サブカテゴリ別 |
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| 本日 | (未集計) | (未集計) | (未集計) |
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15:48 |
午後の教室は、少々騒がしかった。 「あ、茉理、ちょっとちょっと」 (何だ?) 1-Aの教室に入るなり、雅人扮する茉理は、奈々に捕まって、詰め寄られる。 「1階の掲示板、見た? 5月31日に予定されてたイベントが、延期になったって!」 「え……うん」 雅人=茉理は、軽く肩をすくめた。 「いいんじゃない? わたし、そもそもそういうの、興味なかったし」 「えーっ、でもどうしてよ、何か生徒会の人から、わけとか... |
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15:00 |
「昨日の一件は、すべて斎から聞いてる。君は斎が完全に口が利けず、何の意思表示も出来ないから、僕たちが何も知らないと思ってたんだろうけど」 メガネをきらめかせながら、直樹は言った。 「それはすべて君の思い違いさ。斎は、君が思ってるより優秀でね。ま、それは昨日、実際にその目で見たから、わかってるだろう」 響子は反論出来ず、唇を噛みしめる。 「自分が特別かい? 他の人間よりも強いかい? 万能かい?... |
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15:06 |
でも。 帝と今、真正面から向き合って、彼女は自分の中にある魔力がいかに卑小な物にすぎないか、まざまざと感じていた。 純粋に、遥か昔から絶えることなく、完全に受け継がれてきたその魔力は、響子の比ではなかったのだ。 かつて魔族同士の戦いに、多くの地上に入り込んできた異世界の魔物たちと対峙してきたと言われる先祖の偉大な魔力すべてが、帝の中にはあふれるばかりに満ちている。 (かなわない、この方に... |
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23:27 |
声を震わせ、彼に泣きつく美少女を、帝は振り向き、じっと見た。 華奢な肩に手をおき、ぐいっと引き離すと、彼女は期待に満ちたまなざしで、彼を見上げてくる。 その白いあごを捉え、上向かせると、帝は自分の方に引き寄せ、目を合わせた。 (みにくい色だ。濁り、欲望と野心に染まりきった瞳……) 彼は目をそむけ、彼女を突き飛ばした。 「み、帝様?」 地面にしりもちをつき、響子は驚きの表情をみせる。 「三文芝... |
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19:48 |
必死に助けを求める少女を、帝は冷めた目で睨んだ。 「どけ!」 彼は、響子を突き飛ばし、そのまま校舎に向かおうとする。 「待ってください、帝様」 背後から背中にすがりつかれ、帝は顔をしかめた。 響子は、帝の背中に自分の体を押し付け、泣いて訴える。 「お願いです。もうすぐお父様とお母様が、外国からお戻りになります。そしたらもっと大変なことになりますわ」 「何?」 「クリスティ家の方とはいえ、勝手... |
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11:42 |
特館から校舎に戻ろうと、帝は校庭を横切っていた。 (結局収穫なしか) 思いつくまま書庫の書物をあさってみたが、異次元に飛ばされたものの位置を正確に知る魔術はみつかっていない。 異次元を自由に渡るには、高度な魔術と感の強さが求められる。 羅針盤も地図も、方位磁石も、何も通用しない時空なのだ。 そして果てがないといってもいい。 (異次元に入るのは簡単だ。だが) 肝心の目標物が、過去に飛ばされ... |
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19:06 |
「そうだったのか」 直樹は、ふうっと吐息をついた。 「気の毒にな。帝とからまなかったら、友達の一人や二人はしっかり出来て、楽しい学園生活を満喫してたたろうに」 「そうかな。それは彼女には、むずかしい相談なんじゃない?」 雅人は薄く笑うと、腕時計を見る。 「おっといけない。もう時間だね」 ポンッと姿が歪み、また後野 茉理がそこに出現した。 「あ、そうそう、忘れてましたわ、直樹先輩」 茉理はにっ... |
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11:45 |
「そうでもないと思うよ」 雅人は、憂鬱そうにつぶやいた。 「昨夜、散々聞かされたけど、彼女は、やたらと寝言のように僕に言うんだ。どうしてクリスティ学園なんかに通ったのかと」 「……」 「あんなに反対したのに、おばあちゃんの言うことを聞かないから、こんなことになるんだと、何度も何度も、僕に向かってぶつぶつ言い続けるんだ」 「それはやっかいだな」 「でしょ? どうやらおばあ様は、クリスティとの宿命に反... |
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11:42 |
「なんで後野 茉理の祖母は、ぼけてる振りなんかしてるんだ?」 「さあね、僕の存在にも気付いたようだ。表向きはにこにこしてたが、けっこう夜とか探りを入れてきたしね。ひやひやだったよ」 雅人は思い出したのか、うっと顔をしかめた。 「部屋に枕を持ってやってきて、一緒に寝よう、と言うんだ。参ったね、可愛い少女なら大感激だけど、とうのたったばあさんと添い寝だぜ」 「良かったな」 女好きのお前には、さぞ嬉... |
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15:03 |
「英司をはずして、俺に何を言いたいんだ?」 PCを打つ手を止めて、直樹は雅人扮する茉理をじろっと見た。 「ふふっ、よくわかってるねえ、直樹君」 ふわっと笑むと、パチンと茉理は指を鳴らす。 「後野家は、なかなか面白いとこだったよ」 元の金色派手な髪をさらりとかきあげ、雅人は優雅に微笑んだ。 「その姿の方が、話しやすいな。で、どうだった?」 「ご両親は、父親に少し魔力のかけらを感じたけど――ま、本人に... |
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14:45 |
雅人は気にすることなく、薔薇を弄びながらつぶやく。 「そうそう、英司先輩、悪いんですけど、今日の午後、委員会に出てもらえませんか。本当のわたしの姿で」 「うっ」 「しょうがないでしょ。これは特別。帝の許可ももらってあるし――委員長が出なかったら、話し合いにならないもの」 ウインクして、『よ・ろ・し・く』と微笑まれ、英司はため息をついた。 「でね、そのための書類が職員室のコピー機の横にあるんですけ... |
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15:30 |
心配することもなく、雅人は順調に午前中を済ませた。 「はあい、みんな、元気?」 あいかわらずの女言葉で、彼はにこにこ生徒会室にやってくる。 「あ、後野さん――じゃなかった、雅人先輩」 大丈夫でしたか? と心配そうに聞いてくる英司を、彼はぎゅっと抱きしめた。 「可愛い英司先輩に、こんなに思われるなんて、わたし、とっても幸せです」 「ちょっ、後野さん――じゃなくて、雅人先輩、やめてください」 外見が... |
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13:18 |
まるで何事もなかったのように、一夜が明けた。 朝食の席で、3人が考えたことは、まず雅人のことだった。 (うまくやってるかな、雅人先輩) 英司は、トーストをほおばりながら、気になってしょうがない。 (ご家族のみなさんに、ばれてないといいけれど――) 直樹は黙々と食事を済ませ、調べ物があるから先に行くぞ、と席を立つ。 帝も無言で食事を済ませた。 (まったくどうしてあんな女を、助けてやらなきゃいけ... |
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09:45 |
『でもわたし、来たかったんです、早くここに』 桜舞い散る中で、まどろんでいたときに、ふと下から聞こえた声。 初めてみる少女なのに、彼にはわかってしまった。 ――ずっと待っていた人が来たのだと。 微笑みを浮かべる彼女の魂の輝きが、素直に自分の心に響いた。 (物心ついたときから、『僕』は誰かを待っていた。ずっとずっと待ち続けた。小学校に入学し、あの桜の木の言い伝えを知ったときからは、何度もあそこ... |
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21:24 |
その後、細かい打ち合わせをすべて済ませ、解散したのは、9時を過ぎていた。 「大変! わたし、帰らないと」 じゃあ、ばいばい〜と手を振って、雅人は空間転移する。 「おいおい、魔術で帰るのか?」 「ま、そのほうが正解だ。今から電車を使ったら、早くても30分はかかるぞ。家族にこってりしぼられる時間が増えるんじゃないか」 これ以上遅くなるのは、ちょっとな、という直樹の言葉に、英司は納得してうなずいた... |
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18:03 |
「……うん、もう食べ終わったし、あとちょっとで帰るね。心配しないで、うん、じゃあ」 カチャン。 受話器を置き、少女は振り向き、ふふっと笑った。 「どうお? 完璧でしょ?」 3人はぐえっとうめく。 「早く元に戻れ。見るに耐えん」 「そうですよ、雅人先輩」 「えーっ、そんなあ。これからわたし、家に帰らなくちゃいけないのに」 茉理――いや雅人の発言に、3人はえ、と首をひねる。 「雅人、お前、まさか」 「ピ... |
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09:45 |
「しかたないな。僕がなんとかするよ」 雅人が微笑んだ。 「お前が?」 「まずは電話だね、ちょっと借りるよ」 彼はそう言うと、立ち上がり、ドアの横にある電話に歩み寄った。 アンティークの一品と一目でわかる、見事な細工の受話器を取る。 次の瞬間。 雅人は指をぱちんと鳴らし――その場に、よく見知った少女が出現した。 「うわっ!」 「そうか。その手があったか」 「確かにそれも一つの方法だが、あんまり思... |
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11:36 |
その場に、しーんと静寂が満ちる。 誰もが自分の心の中で、それぞれの想いをまとめようとしていた。 「まず現実問題から片付けよう。後野 茉理の家には連絡がいってない。これをどうする?」 「ていうことは、後野さんは、この時間まで無断門限破りの不良娘ってことになっちゃうわけですか」 「それで済めばいいが、へたしたら行方不明か家出で、捜索届けが警察に」 「うわっ、やばすぎるねえ。どうする、帝」 雅人が... |
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09:27 |
「つまり俺達は、異次元に飛ばされてしまったあの女を、どうにかしないといけないというわけだな」 「そういうこと。それがまず一つ」 「一つって、まだあるんですか」 英司の質問に、直樹はこめかみに指を当て、ああ、とつぶやいた。 「目の前で後野 茉理が消えてしまい、斎が黙っていると思うかい? 当然彼は、早川 響子に詰め寄った。しかし」 「響子姫は彼を軽くあしらい、後野 茉理をどこに飛ばしたか、なんて教... |
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15:48 |
直樹は雅人のセリフに何の反応も示さず、変わらぬ口調で続ける。 「で、話を斎に戻すけど、彼の記憶の中に、早川 明人がいた。どうやら妹と二人で、XXランドに遊びに来ていたようだ」 「まさか、後野さん、早川君と」 「ああ。会ったんだろうね。でも早川は、彼女のことを何一つ覚えていなかった。ショックだったとは思うが、問題はここからだ」 直樹は、眼鏡をきらりと光らせた。 「これは俺の想像に過ぎないが、早川 ... |
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[2009/1/9]